おつきみどろぼうとは?

お月見どろぼうとは

わたしの住んでいる地域(愛知県日進市)やその周辺で行われている「おつきみどろぼう」という風習。中秋の名月の日にお月見のお供え物をして、地域の子供たちはそのお供え物をもっていってもよいというもの。

つまりは和製ハロウィンのような風習です。この日は子どもたちが喜んで近所を駆け回ります。起源は五穀豊穣を願ったもので、「子供は神様の使いだから、お供えを持って行ってもらうのはよいこと」とされたのだとか。

インターホンを押してあいさつしながら回る子どもさんもいますが、スナックやゼリーのような駄菓子を「おつきみどろぼうさんこんにちは、ひとつずつもっていってね」と書いて玄関先に置いておくと自由に子供がそれを持っていく様子も見られます。その日、夕方の玄関先は楽しくにぎやかになります。

おつきみどろぼうのお供えは

お月見のお供えといえば、昔ながらの「月見団子」や「季節の草花を活ける」などがありますが、おつきみどろぼうの時にはお子さんに持って行ってもらうことを想定して、色とりどりの駄菓子やドリンクが並ぶことが多いようです。この時期、地域のスーパーマーケットには「お月見泥棒コーナー」としてまとめ売りの駄菓子が並んでいることもあります。

個別包装の駄菓子は定番ですが、そのほかにも、手作りお菓子や、屋台のようにその場で提供する食べ物、古くなったおもちゃなど、いろんな楽しい「お供え」があって、子供たちを迎える親たちも遊んでいる様子。ディスプレイも家によって様々。とても楽しい光景です。

お月見どろぼうの問題点は

お月見どろぼうの日、子供たちは朝からソワソワ。はじまるころになると夢中になって近所を駆け回ります。「交通ルール」や「あいさつ・マナー」の点もいつも大問題です。お互いによく目を配ってよその子のお子さんでもしっかりと声掛けをしてあげなくてはなりません。

そう考えると、安全で信頼のおける環境でなければなかなか成り立つのが難しいですし、その環境をなくさないように大切にしていきたいと思います。

おつきみどろぼうが行われている地域は

お月見どろぼうを行っているのは、愛知県では、日進市、東郷町、長久手町、名古屋市(緑区の徳重、名東区の極楽、千種区の城山・覚王山)、設楽町(萩原地区)などだそうで、三重県の四日市、岐阜県の恵那市など、全国各地でこのような行事が今も続いているのだそうです。

ちなみに私の住んでいる地域では、昔あって、現代にはすたれてしまっていた「お月見どろぼう」の行事を、育児中のママたちが協力し、復活させて市内に広めていったと聞いています。こういったイベントは子供会や地域の小さなコミュニティが楽しくなる仕掛けのようにも思います。

あなたの地域でも楽しいお月見どろぼうが行われますように!

参考『月刊なごや no.455 2020/9』/おつきみどろぼうアンケート(当サイト)